履歴書は一通の手紙だと考えよう

履歴書を書くときに、一番悩むのが「自己PR」の欄だという人も、少なくないのではないでしょうか。ついつい後回しにしてしまって、最後に残ったのが自己PR欄、ということも多いでしょう。自己PRと聞いて、自分にアピールポイントなんかない、何を書けばいいか分からない、と思いがちですが、そんなときは履歴書全体に目を向けてください。履歴書はいわば一通の手紙で、その中に自分が何者なのか、これまで何をしてきて、これから何をしたいのかなど、伝えたいことの全てを込めるようにしましょう。学歴、職歴、免許や資格の欄は、客観的な事実を書くところですから、書くのが比較的簡単な代わりに、内容にあまり自由度がありません。趣味、特技や志望動機の欄は、比較的自由に書けるスペースですが、逸脱した内容は書けないでしょう。そうなると、自己PRの欄だけが、自分が自由に書ける欄になるのです。書くことが思いつかないからと、適当に書いてしまっては実にもったいなく、むしろ自分の個性を表に出し、他の応募者との違いを見せつけることのできる、最も大事な欄だといえます。履歴書全体を見渡して、他の欄では伝えられていないこと、言い足りていないことはないかどうか、確かめてみましょう。その履歴書という手紙を受け取った相手は、あなたのことをどう思うでしょうか。それを考えるのが、自己PRを書く際の心構えになります。
  自己PRを最後に書こう

自己PR欄を先に書いてしまうと、「自己PR」という言葉に惑わされ、自分がアピールできることを考えた結果、「私は電気工事士の資格を持っており、電気設備工事の経験があります」、「2級建築士で設計に自信があります」などと書いてしまいがちです。しかし、このような内容は、職歴、免許や資格を見れば分かることですから、特別なエピソードやアピールできる業績がないのであれば、わざわざ自己PR欄に書く必要はないでしょう。履歴書は文字数が限られていますから、同じことを何度も書くと、他にアピールポイントがないと思われてしまいます。自己PRを最後に書くことで、全体のバランスを保ちながら、文字数を限界まで使って効率よく履歴書を仕上げることができるのです。
  自己PR欄をしっかり活用しよう

「自己PR」という言葉を気にしすぎる必要はありません。どうしても気にしてしまう方は、「自己PR欄」ではなく、「自由記入欄」と言い換えてみましょう。履歴書という手紙の中で、あなたが他の欄で伝え足りないことを、自由に書ける欄だと考えた方が、書きやすくなります。たとえば、職歴が短く不安だという方は、「現場監督として、戸建て住宅から会社、高層ビルまで多くの経験があります」といったように、具体的な仕事内容を書くことで、経験の多さをアピールできるでしょう。また、趣味や特技の欄で書くことがあまりないという方でも、「多くの現場でチームを組み、いつも円滑なコミュニケーションを大切に、明るく元気に仕事をしてきました」など、人間性を伝えることもできます。免許・資格が少ないという方は、「宅地建物取引士の資格取得に向けて勉強中です」、「未経験の仕事にも積極的に挑戦し、必要な資格があれば取得します」と書くことで、熱意を伝えられるのです。このように、自己PR欄を活用して、あなたという人間を伝えられる手紙を完成させましょう。
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